脳血管疾患は現在日本での死因第4位であり、また、認知症患者も年々増加傾向にあります。
脳血管疾患・認知症とも、介護が必要になる可能性が高く、自分が罹患した場合の不安を覚える方も多いのではないでしょうか。
平均寿命がぐんぐんと伸び、健康寿命の延長が叫ばれる中、脳ドックに興味を持たれる方も多くなってきています。
かくいう私も、頭痛に悩まされ、また、友人が20代の若さで脳血管疾患にて他界した辛い経験から、今回脳ドックを受けてきました。
脳ドックとはどのような内容なのか、費用はいくらかかるのか、またどのような疾患が分かり、どのような方が受診しているのか、まとめました。
・脳ドックを受けようか悩んでいる
・家族の中に脳疾患の既往がある人がいる
・脳ドックの内容、費用を知りたい
脳ドックの内容は?
私自身が受けた脳ドックの内容は、
- 問診
- MRI/MRA
の2項目です。
MRIとは
MRIとは、巨大な筒のような機械に入り、脳の断面の写真を撮影する検査です。
X線を使用するCTとは違い、強い磁場によって画像を得るため、被爆の心配がありません。
MRAとは
MRIの機械を用いた、血管造影のことです。
MRIと同じくX線による被ばくの心配はありません。また、造影剤も使うことなく撮影できるので、体への負担もありません。
オプション検査項目
オプションで、頸動脈エコーがつけられましたが、私は選択しませんでした。
ご高齢の方で、首の動脈が狭窄しているか心配な方はつけた方がいいかも。
病院によっては、
- 動脈硬化の原因となる脂質異常症や糖尿病を発見するための血液検査や尿検査
- 脳梗塞の原因となる不整脈を検査するための心電図
- 簡単な質問に答えることで認知症かどうかを調べる簡易認知症検査
などを行う場合もあるようですが、私が受診した病院ではこの検査項目はありませんでした。
脳ドックで何がわかるの?
脳MRIでは脳実質の様子が分かります。
脳血管の動脈硬化や、脳動脈瘤を早期に発見し、脳梗塞や脳出血を発症する前に改善策をねることが出来ます。
無自覚の脳梗塞・脳出血・脳腫瘍の有無。また、脳の萎縮の様子から認知症かどうかが分かります。
くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤や血管異常の発見ができ、原因の治療による疾患の予防に役立てられます。
要するに、脳疾患全般の早期発見・予防に役立てられる!!ということです。
どんな人が脳ドックを受けるの?
一般的に、40歳を過ぎると加齢により脳疾患のリスクが高まると言われているため、40歳を過ぎたら定期的に受けるのが良いと言われています。
また、家族に脳血管疾患の方がいらっしゃる方(特に動脈瘤や血管異常)は、遺伝的に脳疾患のリスクが高いため、受ける方が多いようです。
20代で急逝した私の友人も脳血管異常であった可能性が高いようです。
また、別の私の友人(30代前半)は脳ドックで角質性病変が見つかり、経過観察になったと。
脳の病気は高齢者のものというイメージを持っておられる方も多いかと思いますが、20代、30代でも異常が見つかるケースが少なくないという事実に驚きます。
実際、若い方も多く受診されるとのことでした。
私自身がうけた脳ドックの内容・感想
問診
まず、事前に記入した問診表を提出。
問診表の内容は、
MRI検査を受けたことがありますか、大きなけがをしたことがありますか、入れ墨はありますか、体内に金属がありますか、妊娠していますか、閉所恐怖症ですか等、
MRIが問題なく受けられるかどうかの確認。
あとは既往歴や、家族に脳疾患の方はいるかどうか、酒・たばこの量、生活についての簡単な質問(何人暮らしか、介護を受けているか、介護をしているか等)でした。
その問診表を見ながら看護師の問診を受けました。
私が30代前半だからなのか、自覚症状が頭痛のみだからか、問診の内容は「体に金属が入っているか」について重点的に聞かれて終わりました。
MRI検査
問診という名の金属が体内に入っているかの確認を終えたら、すぐMRI室へ移動しました。
MRI室には、若くてクールビューティ的な女性が一人いるのみ。
「ブラジャーやファスナー、金属のボタンの付いた服を着ていたら脱いでください」
と言われ、そそくさと用意されていた病衣に着替えました。
そして、ここでも体内に金属が入っていないかの確認。めっちゃ慎重に何重にも確認される。
私の肩にはケロイドがあり、ステロイドの張り薬を貼っていたのですが、確認したところ「張り薬のたぐいは全て取ってください」と言われたので外しました。
ちょっとドキドキ。
「あ、MRI検査受けたことあるんですね。じゃあ、大丈夫ですね。」
と言われ、特に何の説明もなく重厚な扉の内側へ。
そう。私、7年前に腰のMRI検査受けたことあるんです。
でも、7年前の記憶なんて一切なし!!しかも、腰と頭で受ける場所も違うけどぉぉいいのぉぉぉ!?!?
腰のMRIを撮った時にはどうだったか記憶がないのですが、完全に「頭はここですよ~」と言わんばかりのストレッチャー。
そこに頭をはめるようにして寝ころぶと、膝の下にかなり大きいクッションをかってくれる。
そして、耳の部分にクッションのような、ヘッドフォンのようなものをはめ込まれ、
頭にかぶせるようにカバーを付けられる。
頭がしっかりと固定されている感じ。
腰のMRIの時はこんなものなかった気がする…
なんだが仰々しい。
そう言って、クールビューティは去って行った。
ゴロゴロゴロっとストレッチャーが筒の中に入って行く。火葬場で火葬炉に入れられる気分…←最低な例え
天井がすぐ目の前。思っていたよりずっと狭い。
「こりゃぁ、閉所恐怖症の人は無理だな。さて、あたしゃ30分ここで寝てりゃいいだけなんて、楽な検査や」
そう思い、ガッツリ寝ようと目をつぶったところで
「ビーッビーッビーッビー!!!!」
超大音量の警告音みたいな音が鳴り響くではありませんか!!
え!?これ、警告音!?MRIって、確か大きな音がするって聞いた気がするけど、こんな音だったっけ!?
この音!!あれやん!!ルパン三世がお宝取った時になる警告音!!これで警備員ワンサカ出てくる音やん!!警告音って、危険な時になる音やないんか!?
完全に恐怖。
MRIの機械、壊れたんじゃないかと疑ったわ。
かといって、私の身体になにか変化が起きるわけでもなく、痛みが走るわけでもなく、暑くなるわけでもなく、機械が煙を拭くわけでもなく、クールビューティが駆けつけてくるわけでもなく、
MRIって、こういう音なのだと言う事を悟った。
あ~、そういえば、7年前も寝ようと思ったのに大音量で寝れなかった気がしてきたぁ~
ビーッビーッビーという警告音のような音が鳴りやんだあとも、
ガガガガガガガガガガガガ
ピ—————
カタッカタッカタッカタッ
ビーーーー
と常に不快な音がし続けるという状況。
しかし人間というのは不思議なもので、
だんだんとその不快で仕方が無かった音にも慣れてくる。
あー、このままの調子ならちょっと眠れそう…とウトウトし始めたところで、
ゴロゴロゴロゴロッ
とストレッチャーが奥へと動き、再度目が覚める。
タイミングの悪い事よ。
このようにして、全く眠れることなくあっという間に30分が過ぎ、ゴロゴロと筒の中から引っ張り出されました。
金払ったら帰ってよし。
とのお達しをいただき、午後の空いている病院ですーぐ会計に呼ばれ、約1時間ほどで脳ドック、終了しました。
スムーズで待ち時間もほぼ無く、あっという間でした。
料金は
今回MRIと問診という内容の脳ドックでかかった費用は、ずばり!!
2万7千384円なーりー。
保険適用外なので、たった1時間の検査で2万越え。
オプションの頸動脈エコーを付けた場合、+6000円だそうでございます。
一般的な相場としては2万円~5万円程度だそうです。病院によっても検査内容によってもかなり金額に差があるようですので、病院選びは慎重にしてください。
検査結果は
「検査結果に異常がある場合は出来るだけ早く電話連絡させていただきます。異常が無かった場合は郵送で結果をお知らせします。」
とのことだったので、郵送の封筒を見たときは一安心でした。
どでかい字で書かれたプリントが5枚挟まってました。
内容は、「異常なかったよ~」ってことと、画像を読影した医師のコメント。あとは画像の簡単な見方でした。
写真も4枚貼り付けてありましたが…
一般の人が見てもよく分かりませんね。でも自分の脳みそを見たのは初めてなので嬉しいです。
まとめ
思ったより検査時間も短く、苦痛なのはMRIの音だけでした。
血液をとる、造影剤を入れる、などの痛みを伴う検査も無く、(お値段のことはさておき)手軽に受けられる検査だと感じました。
30代前半での検査でしたので、異常が無くひとまずほっとしております。
お値段はそこそこですが、この値段でいのちの危険や、介護が必要な病気を予防できると考えれば安いものではないでしょうか。
40歳になったら再度脳ドックを受けようと思います。
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